ダブルダッチのある生活 – vol.4 ゆりなさん
ダブルダッチのセカンドライフ
–やりたいことは積極的にチャレンジして楽しむ–
今回は、リニューアルした「ダブルダッチのある生活」初の女性、ダブルダッチサークル9期生のOGゆりなさんに、学生の頃と最近のダブルダッチのお話を伺いました。一度離れたダブルダッチに再び取り組み、新たなダブルダッチライフを歩み始めてどんな今後を考えているのか。
ゆりなさんのダブルダッチのセカンドライフとは?
ダブルダッチを始めたきっかけは?
大学入学当初、岡山県下の大学のダンスサークルが合同で実施する新入生歓迎イベント、「ウェルカムダンスパーティー(以降WDP)」でダブルダッチパフォーマンスを見たことです。
高校時代にダンスをしており、大学でも大好きなダンスしたいと思う反面、新しいことにも挑戦したいという気持ちもありました。そんな中、WDPでダンスサークルに交じって、物珍しいダブルダッチパフォーマンスを見たんです。一目見て、「これしかない!」と思いました。「ダンス」×「新しいことに挑戦」という考えにピッタリハマり、ダブルダッチを始めようと決めました。気づけば単身で岡大サークルに乗り込み、みどりさん(岡大ダブルダッチサークル7期生)に声をかけたことが、私のダブルダッチの始まりです。
現役生時代のお話を聞かせてください
以前より漠然と海外に興味がありました。なので、大学に入ったら必ず海外留学する!そのためには、アルバイトをして自分のお金で行かなければ。と、ダブルダッチで上を目指す以外の目標も掲げていました。
一方、サークル活動では、大会出場チームのメンバーとして、多くの時間をダブルダッチの練習に割いていました。学生の頃出場した大会は、大学二回生まで。三回生からは、同期チームをサポートする立場で活動していました。
当時の大会チームでの私の立ち位置は、唯一のダンス経験者ということから、全体的な振り付けを任せてもらっていました。充実した毎日を送っていましたが、大会に向けての練習が濃くなっていくにつれて、お金貯める時間も作らないと…と、ダブルダッチ以外の時間を捻出する難しさを感じはじめていました。
また、私はチームで唯一の実家生で、電車通いだったのですが、夜遅くまでダブルダッチをすることもあったため、「そろそろ終電が」と言うこともしばしば。遠距離な実家生あるあるだと思うのですが、練習場所までのフットワークの軽さや、終電時間の問題など、移動時間での縛りがありました。二回生の大会を終えて、頑張るチームメイトたちと一緒にやっていきたい気持ちがある反面、次第にダブルダッチにかけられるパワーが、気持ち的に割けなくなってきたように思います。その時に、三回生でのダブルダッチ大会への出場へは、選手として頑張り続けなくても良いのかなと考えるようになってきました。中途半端な気持ちで続けるより、「大会には出場しない」と決めたほうが全力でメンバーを応援できるのではないかと思うようになり、三回生以降は、「大会に出場しない」という選択をしたんです。そのころ同期の大会出場チーム2つが話し合いを行って、1つのチームにまとまりました。私含め出場を選択しなかった同期は、ダブルダッチから身を引いたわけではなく、同期メンバーのサポートをして大会に関わりました。私は得意なダンスを活かして、振りを提供したりできる限りのサポートを行っていましたが、選手を退いたことに対して未練はなく、むしろ私が考えた振り付けをメンバーが踊ってくれているということに、喜びを感じましたね。自分もパフォーマンスに参加している感覚でした。
その後はどのようにダブルダッチと関わり続けたのでしょうか?
大学卒業までは講習会やパフォーマンス出演依頼に対応する他、大学祭やサークルの卒業イベントに「Alfort」というチームで出ていました。「Alfort」は、全員がダンス好きなメンバーで構成されていて、振り付けをメンバー間で教えあったり、自分では考えつかない振り付けの気づきを得たりと、単純に楽しみながらダブルダッチができました。
大会チームでは、責任感を持ちつつダブルダッチと向き合っていましたが、イベントチームではみんなそれぞれ好きな動きのダンスをしながら、そのダンスに縄を合わせて跳ぶ構成作りをしていました。難易度の高い、いわゆる「攻めのパフォーマンス」ではなく、音楽に合わせて自分達の振りを共有し合って、自分達が楽しみながらダブルダッチができていたかなと思います。大会とはまた別の、本来の単純な「楽しいダブルダッチ」ができたことで、ダブルダッチの楽しさを知れた気がします。
ダブルダッチはずっと続けていたのでしょうか?
自分が中心となって積極的にダブルダッチを行う方ではなかったため、お誘いの機会が少しずつ減り、卒業後は自然とダブルダッチから足が遠のいていきました。時世の影響で何年も閉鎖的な時代が続いていたため、「もうダブルダッチに関わることはないかな」と考えてたのですが、心の中ではまた、どこかでやりたいという気持ちはあったと思います。
ちょうど一年程前、SNS上でたまたまとーるさんと連絡を取り合うことがあったのですが、それがきっかけでダブルダッチの研修会にお手伝いとして参加して、数年ぶりにダブルダッチをしたんです。数年前、気分転換にダブルダッチイベント「レッツプレイダブルダッチ(以降レップレ)」に参加したことはありましたが、研修会という立場でスタッフとしての参加でしたので、ガッツリ縄回しもして、本当に久しぶりのダブルダッチとなりました。せっかくならばと、JJRU岡山県支部の委員にも誘っていただき、仕事に活かせることも多いだろうなと考えて、今年から参画しています。レップレ担当として動いている他、以前からデザインに興味があったことから、WEB担当としても動いています。そろそろ職場でも中堅的立場となり、マネジメント能力が求められてきているため、運営組織での立ち回りや職場以外での社会性を学んで自分なりに楽しみながら、ダブルダッチのセカンドライフを送っています。
今後の取り組みについて教えてください
先日、JJRU岡山県支部が運営するツキイチフリーロープ会に出たあと、久々に体育館練習に参加し、学生達が練習する横で同年代の仲間とパフォーマンス練習をしたんです。久しぶりのダブルダッチにも関わらず、ほぼ一日中跳び続けていたということもあり、翌日は筋肉痛がひどくて…。仕事は医療・健康サポート総合施設の受付をしているのですが、同施設内の看護師さんに足を引きずって階段を歩いているところを見られ、「どうされたんですか?」と心配そうに声をかけられました。「ダブルダッチをしまして…!」と雑談してみたらなんと、岡山のイベントでダブルダッチを目にしたことがあるそうで、近くにダブルダッチを知っている人がいるのかと、嬉しくなったのと同時に、身近な人に、自分の好きなダブルダッチをもっと知ってもらいたいという気持ちになりました。
私は、やりたいことは積極的にチャレンジして、楽しむということを大事にしています。在学中は目標通り海外留学に行き、社会人になってからも、ふとした興味から「行ってみたい」「してみたい」を実現させられるように、ポジティブに活動しています。
実はダブルダッチの他にも、ピアノや剣道、バレーボール、ダンス、スノーボード、ウェイクボード等々、これまで「楽しそう!」という直感のもと、心赴くままに挑戦してきました。去年からは韓国アイドルを推していまして、今では仕事と推し活動、そしてダブルダッチと楽しみがたくさん増えたので、全てに向き合いながら全力で人生を楽しんでいきたいと思います!
ゆりなさんの人生軸に沿って、ダブルダッチのお話を伺うことができました。興味のあることには積極的にチャレンジして楽しむ姿勢は、ダブルダッチを初めて間もない方も、ダブルダッチから離れた方にも参考になるお話でした。セカンドライフのダブルダッチ活動、心から応援しております。
ありがとうございました。(2024.06)